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お宮参りのあやつこってなに?
皆さんは、お宮参りで赤ちゃんの額に墨をつける風習があるのをご存じですか?
主に悪霊よけのおまじないとして、額に「×」「大」といった文字を書きます。
これは、「綾子(あやつこ)」または「やすこ」という関西でよく見られる風習なのだそうです。
そのため、関東ではこの風習はあまり知られていません。
今回はこの「あやつこ」という不思議な風習について見ていきましょう!
あやつこってどんな風習?
お宮参りの「あやつこ」はいつからはじまったの?
この「あやつこ」という風習は、平安時代の宮中で始まったとされています。
また、江戸時代の公家の日記からは「阿也都古」という漢字で表記されていたことが見つかっており、歴史的にも長く続いている慣習であることがわかります。
これには、子供の出生に関する理由があるとされています。
赤ちゃんの死亡率が高い時代、死や病は悪霊の仕業と考えられていました。
そこで、当時は赤ちゃんの額に紅で「×」印を書くことで悪霊除けとし、この先も健康に育つよう願ったとされています。
なぜ「×」印?
×印が日本古来から独自的に作られたのか、中国などの大陸から入ってきたものなのか、はたまた全く違う理由で生まれたのか、その起源や由来などは明確に判明していません。
しかし、主に2本の線が交差する「×」印には、昔から魔除けの意味があったのではないかと考えられています。
神様に認めてもらうまでの道中、悪霊を防ぐ・封じるため、または見つからないようにするためなど色々な説がありますが、いずれも赤ちゃんを守るための特別な力があると考えられてきたことが伺えます。
なぜおでこに書くの?
あえて額に文字を書くようになった理由も、実は詳しくわかっていません。
しかし、手や足など他の場所に文字を書いたという事例は今のところ見つかっていないようです。
ただ、昔から日本では、額は霊が出入りする重要な場所として、仏教や修験道などで印を押してもらうという風習がありました。
あやつこと似ている風習に、稚児行列の位星(くらいぼし)というものがあります。
お寺で行われる子供たちの伝統行事で、儀式の際に綺麗な装束を着て街を歩くと、参加した子供たちは無病息災のご利益をいただけるとされています。
そのとき、位星という印をつけるのですが、それも子供の額に黒色や赤色の点を2つ書くのだそうです。
また、お寺つながりでいうと、仏様の眉間の少し上の方には、白毫(びゃくごう)と呼ばれる毛が生えており、ここから光明という神聖な光が発せられるとされています。
そのほかにも、古代の日本ではお化粧が呪術的な役割を担っていました。魔除けのために赤色の顔料を顔や体につけていたそうです。額ではなくとも、顔を重要視していたことが伺えますね。
このように、額や顔が魔除けとして大切な場所であるという認識は、日本の歴史からも伺うことができます。
直接的な理由ではありませんが、こうした背景があやつこ文化にも影響していたら少し面白いですね。
あやつこ文化が関西に残っているのはどうして?
あやつこ文化が関西で多く見られる理由は、この文化が宮中・貴族から来ていることに関係していると考えられています。
関西と宮中文化のかかわりがどのくらい古いのかというと、それは飛鳥時代のあたりにまで遡ります。
まず、7世紀半ば、奈良県高市郡明日香村に飛鳥板蓋宮(あすかいたぶきのみや)という天皇の住まいが作られました。
その後、何度か近畿内で天皇の住まいが移動し、694年には奈良県橿原市に日本で一番古い本格的な都「藤原京」が作られ、そこから明治時代に都が京都から東京へ移るまでの1100~200年間は場所は変われど関西に都がありました。
このように、関西には長い間都があったため、自然と庶民の暮らしにも宮中・貴族文化の名残が多く見られるようになります。
例をあげると、お正月の丸餅や雛人形の並べ方などですね。
対して、関東は坂東武士といわれるように、昔から武家の影響力が強い地域でした。
征夷大将軍という武士のトップによって、鎌倉時代から武家政権が始まり、江戸時代には江戸幕府という約260年間続く武家社会が築き上げられました。
そのため、庶民も武家文化に馴染みがあったと考えられています。
もちろん、京都にも武家文化の影響が残るものも多くありますが、あやつこの習慣が関西で多く見られることに関しては、この宮中文化の影響があったからなのではないかとされています。
お宮参りのあやつこ どうすればいいの? 書き方など
他に使用される文字にはどんなものがあるの?
「あやつこ」に使用される文字にはいくつか種類があります。
どんなものがあるのか、また、その意味をいくつかまとめてみました。
犬・・・ 子どもが子犬のようにすくすくと元気に育つように
大・・・関西にみられる印で、主に男の子に使われる。大きく元気に育つように
小・・・関西にみられる印で、主に女の子に使われる。優しく健やかに育つように
点(、)・・・福岡県の久留米水天宮で見られる
桜の紋・・・群馬県の富士浅間神社など、神社の御神紋でそういった事例がある
梵字・・・主にお寺でつけてもらえる印で、千葉県の成田山新勝寺などで見られる
お宮参りのあやつこ どうやって書くの?
赤ちゃんの額に文字を書く場合、どうやって書いたらいいのか悩んでしまいますよね。
赤ちゃんの肌に触れるものなので、気になるパパママもいらっしゃるはず。
「あやつこ」にはいったい何が必要なのでしょうか?
まず、昔の宮中では紅を、庶民の間では鍋墨をそれぞれ使用していたとされています。
鍋墨を使ったのは、竈の神・荒神の加護を受けている印とされたことが関係しているようです。
現代では、口紅や専用のスタンプで印を付けることが一般的となっています。
神社やお寺で付けて下さるところもありますが、もしご自宅でパパママが付けられるようでしたら、石鹸でオフできる口紅などもありますので、そういった物を使って、赤ちゃんに印を付けてあげてはいかがでしょうか。
お宮参りのあやつこ 誰が書くの?
現代において、一般的に誰が書かなければいけないというきまりはありません。
パパママや祖父母様が書かれることもあれば、神社の宮司様にお任せすることもあるなど、地域や家庭によって異なります。
事前に、お参りする神社にお問い合わせするのがいいかもしれませんね!
まとめ
・「あやつこ」は平安時代の宮中から始まった風習
・生まれてきた赤ちゃんを悪霊から守り、健康を願うために行う
・額にする理由は不明。しかし、額にはすごいパワーがあると考えられていた!
・文字は「大」「小」の他に、「犬」や「、」などもある
・赤ちゃんに「あやつこ」を書くのは、基本的に誰でもOK
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公開日2026年7月7日
更新日2026年7月8日



